胃カメラ

いよいよ胃カメラの日。胃カメラはだいきらいだけど、バリウムはもっときらいだ。すきっぱらに、胃をふくらませる薬(発泡剤)を飲んだうえ、おもたい石膏のような液体を大量に飲まされ、げっぷしたいのに(だって発泡剤飲んでるから)げっぷしたら怒られる。怒られるだけじゃなくて追加の発泡剤を飲まされる。そんなおなかぱんぱんの状態でバーにつかまって台の上をころがされたり逆さづりにされたりするんだよ?逆さだよ?知ってた?(って誰に向かって言ってるんだわたしは)。あれはかなりタチの悪いSMだよ。で、ころがる作業が延々とつづいたあげく“夕方までに全部出なかったら、追加の下剤飲んでくださいね”っつって、一日中下痢だもの。もうね、一日仕事なんだよ。 そのうえもしも悪いところが見つかったら“胃カメラの再検査です”って、
だったら最初から胃カメラにしろ!と、思うわけですよ。


というわけで、胃カメラをのんだ。
思いっきり悲しそうな顔をしていくと、看護士のおばさんがやさしく背中をなでてくれたりするので、必要以上にうなだれて行った。
着替えて、まず胃の動きをしずめる筋肉注射を打つ。これがイタイ。まあ筋肉注射はみんなイタイもんだし、この注射、実はバリウムのときも打つので仕方ない。
次に、胃の泡を消す液体を小さじ一杯飲む。どろり。バリウムの100倍マシ。
次に、ノドを麻痺させる麻酔をシュッシュッと吸入する。おえ。ニガイ。そしてこれをやるとごっつい苦しい。つばが飲み込めなくなるのだ。“もうツバは垂れ流してください〜”と看護士さん。垂れ流せって言われても…そうそう垂らせるもんじゃないっすよ、人間として(^_^;。


いよいよ台に横になる。
“じゃあ、検査がラクになる薬打ちますね〜”と先生。
よっ!待ってました!実はわたしはこの注射が好きなのだ(笑)。だらんとなる。っつーか、トロン、ポワ〜ンとするんだよ。いつも“検査がラクになる薬”としか言われないけれど、まあちょっとやばいもんなんじゃないかと思う。バリウムは気持ちいい瞬間ゼロだけど、胃カメラはここだけが気持ちいい。その一点で胃カメラを選んでると言っても過言じゃないっすよ、わたしは。
注射をされるとすぐにトロンとするので、そのまま横になって口にマウスピースをはめてカメラを通された。ノドを通る瞬間はゲホゲホっとなってそりゃあ苦しいんだけども通ってしまうと意外とラクなのは、私のノドが太いせいかもしれませんな。しかも実際にカメラを入れてる時間は想像以上に短い。
“は〜い終わりましたよ〜”つってすぐその場で、胃の写真を見せてくれる。ピンクできれい。酷使してるわりに、胃だけは美人じゃないっすか。えへへ。
注射のせいでフラフラするので、一時間ほど休憩室で仮眠を取る。これがすごくよく眠れるわけですよ。勤務時間中に薬物使用で堂々と1時間眠れるのだからこれもまたゴクラク。って書いてて思ったんだけど、わたし、胃カメラが好きなんじゃないか?いや、嫌いだよ。だんぜん好きではないんだよ!!胃カメラのときに打つ注射が好きなだけです。