COOL DRIVE ファイナル@渋谷AX

きょうのライブでCOOL DRIVE MAKER'S 改めCOOL DRIVEは活動を休止する。
今年は本当に解散ラッシュ。クールドライヴは文字上は解散じゃあないけれど。
ひょんなご縁で、ときどきクールのライブにお誘いいただくようになったのが6年くらい前だったか。
活動停止のお知らせを受けて、最後のライブに行くべきかどうか、かなり迷った。
最後と聞いて、ある種の感慨はあったものの、衝撃というか、深い悲しみのようなものはなかったし。彼らの楽曲はさておき、名前を変えたあたりから活動の仕方にちょっとチグハグな印象を受けていたことも事実。ああ、やっぱり終わっちゃうんだ…って、そんな気持ちのほうが大きかったから。
最後のライブはやっぱり、クールドライヴのことが好きで好きでたまらない人たちだけが集まって、あたたかく、噛みしめるようにライブを見守るほうがいいんじゃないか。私のような中途ハンパなファンが行っちゃいけないんじゃないかなぁと思ったのだ(POTSHOTのラストライブに行かなかったのも、そんな理由。解散だからって急にもう一度ライブに行くのは何だか浅ましいような気がしたんだよねぇ)。
それでもやっぱりAXに行っちゃったのは、クールドライヴに誘ってもらうキッカケになった人(仮にAさんと呼びますが)と会場でまた久しぶりに会えるかもしれないなーと思ったことと、これが本当に本当に最後なら、最後にやっぱりもう一度、生歌で『スーツケース』が聴きたいなぁと思ったからだ。


ライブは19時を10分ほど押して始まった。いきなりドライブ感のある楽曲でダダダと4曲ほど。まさにクールなドライブだよ!ツアー名を“ガンガンドライブ・ファイナル”と銘打ってるだけあって「きょうはガンガン行きますよ〜!」とネモ。努めてるのか、妙に明るい。いいグルーヴで、いい曲たくさん。
思った以上に早いタイミングで『NEW DAY』。
“♪失ったものの数だけ、僕ら前へ進めるのかな〜…”そんな歌詞に思わず鼻の奥がツンと来る。うあ。ここで泣くとは思わなかった。不意打ち。そういえばこの曲ばかり繰り返し聴いてたときもあったなぁ…とか思い始めたら、クールにまつわるいろんなことを思い出してしまったよ。
ほとんどはAさんのことだ。初めて会ったときのこと、くだらないおしゃべり。何か強烈な出来事があったわけじゃなく、この5,6年の、日常の取るに足りないような断片がぽろぽろと。たぶん年に数回のこと。それでも積み重なるといろいろあるなぁ。なんて思ってたら、会場の隅にAさん発見。微動だにせずステージを見てる。どんな気持ちで見ているのだろう。そう思ったら、またツンと来た。
ライブは、アンコールも含めて3時間弱。最初の一時間のうちに念願の『スーツケース』も聴けて、後半はアゲめの曲でガンガンと。
そして本編最後の曲が♪ぼくら〜は〜ともだち〜、いつでもふざけよう〜よ…あしたも笑おう〜って、会場全体で大合唱(ごめん、題名忘れた)。これにはやられた。
さらにアンコールでは「懐かしい仲間と一緒にやります」と言って、女性パーカッション&PE'Zのトランペットとサックスが登場。そうだよね、昔はPE'Zのメンバーがサポートしたりしてたよねぇ…と、これにもしみじみ。このメンバーで『GOOD COOL TRAIN』や『アモレゴ』など思いっきり初期の曲を4曲。やっぱりホーンが入るといいなぁ。大迫力。サポートの3人がステージをおりたあと、思い出を語るかなり長いMCがあって、それから最後に4人で1曲演って、本当に終わった。
MCのとき、いちばん遠くから来た観客に(二階席に、このためにロンドンから来たという女性がいて、その人に)ネモがギター(オレンジのムスタング、たくさんステッカーが貼ってあるヤツ!)をあげてた。「次やるときまで取っておいてください」って言って。次って…ねぇ…(涙)。しかもステージからフロアのお客さんに手渡ししてんの。観客の手の上を大玉転がしみたいに移動していくオレンジのギター。すてきな演出。最後はスタッフが2階席まで届けてたけどね(^^;。
ちなみにドラムの人のMCによれば、今日の裏テーマは“泣かない”だったそうだ。
「またね!」と言ってネモはステージを去って行ったけど、キーボードのリーダーは最後、男泣きに泣いていた。
ネモが明るく「またやりますんで」と言えば言うほど、なんだかそれは泣かないように自分に言い聞かせてるコトバのような気がして、ああ、ホントにCOOL DRIVEは終わっちゃうんだなぁって思ってしまったよ。
本当にね、いい曲がたくさんだったなぁ。
いい曲つくれて、いいグルーヴで演奏して。何でそれだけじゃダメなんだろうね。何でバンドって終わっちゃうんだろうね。そりゃ10年とかさ、複数の人間が、同じ方向めざして歩くのはたいへんなのはわかる。でもやっぱり、もったいないなぁ…。
終わって最後、Aさんにご挨拶できた。元気そうでよかった。
いつもいつも、いい曲を聴かせてくれて、いいライブに誘ってくれて、ありがとうございました。
私は何もできなかったけれどね…(涙)。