Sing with TORIOー三木鶏郎と異才たち@銀座博品館劇場

戦後日本ポップスの源流を創った人であり、CM音楽界の巨星でもある故・三木鶏郎氏の曲を、生でやっちゃおう聴かせちゃおう!って、そういう企画。
トリローセンセの名前は知らない人でも♪あかる〜いナショナ〜ルあかる〜いナショナ〜ル…とか、♪くしゃ〜み三回ルルが効く〜…とか、♪トム〜とジェリ〜なかよくケンカしな…とか、♪キリン〜レモン〜キリン〜レモン…とかとか、センセの作品は聴いたことがあるはず。相方のともだちがトリロー先生の孫弟子(?)くらいにあたるご縁で遊びに行った。
さすが戦後の巨匠だけあって、会場客席は白髪率高し。この企画の言い出しっぺである鈴木慶一サン(これまた白髪)の司会のもと、冒頭トリロー作品である古いCMの上映があり、続いて先生の人生を回顧するフィルムの上映。このままではただの法事では…と心配になったあたりで、アレキサンダートリタイムバンドと銘打ったミニオーケストラをバックに、トップバッターのボーカリスト今野英明氏(EX.ロッキンタイム)が現れた。だいたいひとり2〜3曲を目安に、奈歩さんと湯川潮音サン*1ザ・ピーナッツを演ったり、高野寛サンと鈴木慶一サンが一緒に歌ったり…と、盛りだくさんなライブに突入。こう言っちゃナンだけど、首里フジコさんのあとに登場したおかげか、畠山美由紀サンは歌声ルックス含めていちだんと麗しく見えました(^^;そして、ハナレグミ永積くんも“本日熱唱しておりますっ”と本人が言うだけあって、明るいトリローソングをまさに熱唱。いやー、こういうカバーって歌手の力量が問われますね。永積くん、畠山さん、今野さん、すごく良かったです。明るいメロディにやさしい声がとても合ってた。
で、最後は全員登場して、トリローCMソングメドレー。ラストに♪あかる〜いナショナ〜ルをやって、松下電器の代わりに鈴木慶一さんが“どうもスミマセン〜”と謝っておひらき(いやはや回収騒ぎが無ければねぇー苦笑)。
冗談めいた歌詞に、貧しさをふっとばすかのような明るいメロディ。トリローソングに彩られた戦後は、なんだかとてものどかでハッピーな感じがしたよ。CM音楽界の巨星といえば、こばやし亜星という星もいるけれど、亜星さんが亡くなったとして、こんなライブが開かれるかしらん?と思ったら、たぶんそれは無いような気が。やっぱトリロー先生、ご人徳ですなぁ。

*1:湯川トーベンさんのお嬢さんなんですってねー。きれいな歌声でした。