D-DAY,TIGHTS再発記念ライブ@代々木ザーザズー

ナゴムをはじめ、80年代インディーズ盤の再発ブームですなぁ。
D-DAYの再発盤は、かなり売れてるらしいよ。つってもみんな知らないだろーな…(遠い目)。
レースのワンピにレースの手袋、可憐なスタイルで歌う川喜多美子ちゃんをボーカルに構えるD-DAYは、当時ニューウェーブ界のアイドル的存在だったのだ。で、その美子ちゃんが解散後16年ぶりに一夜限りのライブをやるという。しかもバックに凄いメンツをそろえて!となったらやっぱ、可憐少女のその後を見てみたいよねぇ。
開演ギリギリに代々木に着いたら、そんな人々でザーザーズーの前には長蛇の列ができていた。みんな20年前には宝島読んでたんだろうなーという風体のオヤジたち(ありていに言えばエグゼクティブ臭ゼロ)ですよ。あの頃、確実にライブハウスで見かけた顔もちらほら。名前も知らない、話をしたこともない人たちだけど、みんな元気なのねー。
さて、本日の出演は『捏造と贋作』『川喜多美子バンド』『ジャック達』の三バンド。
トップは『捏造と贋作』で、こりゃまたボーカルが久保田真吾、KEYが上野耕路(EX.ゲルニカ)Gがブラボー小松サンですよ!きれいめ女子のホーンセクションとダンサーが入った楽団チックなステージは上野さんのアヴァンギャルドなKEYとあいまって、なかなかステキだったのだが、真吾ちゃん(どっから見てもインディアンジュエリー屋の店長)が歌いながらゼエゼエ言っちゃって“足腰に来てるゼ!”“誰かオレに若いカラダをくれ!”を連発するのは、ちょっと寂しかったスよ(^^;上野さんは、あいかわらずの横分けヘアーで、ちっとも老けてなかった。若い頃に老け顔の人は意外とトクだなーと思ったよ。
そして次はいよいよ『川喜多美子バンド』。冒頭に20年近く前のD-DAYの映像が流れる。これってある意味、勇気ある演出だよな。そして現れた美子ちゃんは…うわ。変わってないと言えば変わってないけど…ひらひらレースの白スーツに、黒いレースの手袋、黒いお帽子。そのスタイルにそこはかとなくPTAのニオイが。歌声はあいかわらずのかわいらしさ。“ニューウェーブ・マダム”というコトバが頭をよぎる。マニアにはたまんない感じッスよ。
D-DAYのオリジナルメンバーはみなもう音楽をやっていないそうで、本日のバックはGハッカイ(EX.有頂天・アウフヘーベン)B-光永巖(EX.メトロファルス、TIGHTS)KEYライオンメリィ(EX.メトロファルス)Dr.ハッチャキ(EX.木魚、アウフヘーベン他多数)。当時私はそんなに熱心にD-DAYを聴いてたわけじゃないけど、こういうメンツがそろってライブをやること自体に、ちょっとしみじみ。客席のアイドルノリの大声援に“あら。みんなこんなだった…(^^;?”と、とまどうマダム・美子。“私がもう視覚的にキビシイので、本日はVJに入っていただきました”と正直におっしゃるところがステキです(笑)。『メモリー』とか『シトロン』とか40分くらい演って、ラストはゲストコーラスにナナキサトエちゃんも登場。客席を見て“…みなさん成長なさいましたね”ってMCに笑う。とにかくやんややんやの大盛り上がりで、勇気をふるって人前に出てきた甲斐があったよね、美子ちゃん。客席のうしろではダンナさまの成田忍さん(EX.4-D,URBAN DANCE、あいかわらず色男)も見守ってらして、なんとも言えずあたたかいステージだった。
そして最後は『ジャック達』。当時、TIGHTSはまったく聴いてなかったんですが、『ジャック達』のサウンドは、かなり好きかも。楽しく踊らせてもらったよ。そしてVO&Gの一色さんの真性オヤジギャグ連発MCが面白すぎる…(笑)。あのカツゼツの悪さとお茶目さは、シェーンを彷彿とさせるね。客席から“一色、アシテルゼー!イェーイ”と、ひとりで騒いでるのはあら、ただの酔っ払いになっちゃった真吾ちゃんだよ。TIGHTSのミカヨさんはいま北京に住んでるとのことで、最後、TIGHTSの曲を演るときにはゲストボーカルに美子ちゃんと、鈴木冴子さんを呼んでた。アンコール終わって22時すぎ。あーたのしかった。でもくたびれた。
帰り道、地下鉄に乗りながら、D-DAYみたいなバンドはいまどきだったら出て来ないだろうなぁと思った。タイムカプセルをあけたら、D-DAYが人気だった理由も、終わってしまった理由も両方同時にわかってしまったような。そんな夜だった。次にジャック達のライブを見ることがあったら、物販でCDを買おうと思います。