セントラルアパートの記憶…
『原宿セントラルアパートを歩くー1962-86あの場所にいたクリエイターを訪ねて』を読んだ。
子供だった70年代をちょうど原宿で過ごしたじぶんにとって、セントラルアパートは、幼稚園の帰り道にトイレを借りる場所だった。あのトイレの上で、こんなすごいおじさまたちが、あんなすごいことをなさっていたとは…。当時の私にとっては、セントラルアパートやレオンよりも、キディランドのほうがぜんぜん重要物件だったわけですよ。
細かい事実に妙にこだわって書いてあるので、歴史の教科書みたいだな〜と思いながら読んだんだけど(だいたい脚注多すぎよ)それはきちんと事実を記録しておきたいという筆者の意図的なものだったようです。筆者が編集者のせいか、アート系の人より、編集者(矢崎泰久さん、オキ・シローさん)から聞き出した話のほうが、つっこんでて面白かった。
80年代半ばをすぎて、地上げと老朽化に負けたセントラルアパートは廃墟になってしまう。取材されたクリエーターたちはみな口をそろえて“あの頃(70年代)の原宿はよかった…”と言います。80年代に入って、私が原宿から引っ越したのはまったくもって親の都合でしかなかったけれど、いい時期に引っ越したのかもなぁーと、ちょっと思った。
登場するクリエーターは以下。操上和美、鋤田正義、宇野亜喜良、矢崎泰久、オキ・シロー、浅井慎平。
原宿セントラルアパートを歩く 1962-86 あの場所にいたクリエーターを訪ねて
- 作者: 君塚太
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2004/04/21
- メディア: 単行本
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