ひとりごとな人

帰り道、最寄りの駅からバスに乗った。二人がけシートの奧に座っていたら、途中で人が乗ってきて、隣りに座った。
このひとが、なぜかずーっとひとりでぶつぶつ喋っておられる。えーと、どなたと喋ってらっしゃるんでしょう?むー。“すみません、おります”つって、彼の前を通って降りるのはちょいと勇気要るなあ。ってそんな感じなのよ。やだなーやだなー。チキンな私はどっきどき。うつむきながらケータイでムダにアンテナチェックしちゃったりして目が合わないようにしてました。
そうこうするうち、まわりの人がどんどん降りてしまい、周囲ががら空きに。と、同時に彼も前の席に移動、ホッ。とりあえず“すみません…”はクリアだよ。と思っていたら、私の降りるバス停で、真っ先にボタンを押す彼。え。同じバス停ですか?すごい住宅街の細道を、並んで歩く勇気ないっす。話しかけられても困るんです。よし、彼がステップを降りたら、席を立とう。時間差で外に出よう。
停留所にバスが停まった。立ち上がる彼。立ち上がるなりカーッとこっちを見る。ばっちり目が合う。すくみました。降りれませんでした。そこから私は目的のないバスの旅に出たのでした。
最近さ、ひとりで喋ってる人、多いよね。