みんな元気@DVD録画

ニューシネマパラダイスのトルナトーレ監督が90年に撮った映画『みんな元気』を見た。マルチェロ・マストロヤンニ扮するシシリアの老人が、5人の子供たちに会いにイタリアを旅するっていう、まさに『東京物語』みたいな話。トルナトーレにモリコーネの音楽、マルチェロとくれば、ホロっとするね、泣くね、と覚悟して見始めたんだが、あまりに父ちゃん(マルチェロ)がかわいそうすぎてせつなくてホロリどころじゃなくて号泣だよ。それもさ、ジーンとする涙じゃなくて、ひたすら哀しいんだよ。原節子がいないんだよ。もっとどっかに救いをプリーズ!
子供たちの誰もお父さんに冷たいわけじゃあない。でも、それぞれの生活がある。むしろ愛があるからこそつく家族の嘘…。じぶんの親がじゅうぶん年寄りになってしまった今だけに、これはこたえた。途中に挿入されるフェリーニへのオマージュとも思える映像など、ドキッとする演出の数々は楽しめたけれども。どでかい老眼鏡で目がびよーんと大きくなってるマルチェロも素敵。あーーでもやっぱ哀しすぎて涙じゅるじゅる。