再会飲み

夜はふしぎなご縁のsくんと飲みに行った。
彼と知り合ったのはもう10年近く前。彼が某社の新入社員で、私はいわゆるその仕事先のひと。しばらくいっしょに作業してたんだけど、彼は毎日死んだ鯖のような目をして働いていた。本当は企画の仕事がやりたいのに、雑用ばっかりやらされていたからだ。当時の彼は毎日ボーッとしてて反応がうすい、ちょっと変わった子という印象だった。
雑用な日々がよっぽど嫌だったんだろう。それからしばらくして彼は希望の部署に異動がかない、苦労しながらも頑張っているその姿を、たまに見かけてはいた。


そのsくんと半年前にまったく別の会社で再会した。“○○さんじゃないですか!!”声をかけられてビックリしたのは、いるはずのない会社に彼がいたからだけではなく、彼が別人のように元気よかったからだ。 彼はその道で立派にひとり立ちして、会社を移っていたのだった。いやしかし、人間て変わるもんだなー。だって“今度飲みに行きましょうよ!”なんて言う感じの子じゃなかったもん。
そのときの口約束が、ようやく今日実現したわけです。
彼が三茶に住んでるというので、そっち方面のカフェで食事しながら飲んだ。10年前の思い出バナシ。共通の知り合いの消息。転職した理由。最近面白いと思うもの…etc。あの反応のうすかった男の子と、こんなしゃべってるのがすごい不思議。
「あのころはよく先輩に命令されて、チャリ走らせて○○さんのおやつ買いにいったな〜」
えー?そうだっけ。そんな人聞きの悪いこと言わないでよ(^_^;
「でもすげー○○さん、しあわせそうにお菓子食べるから、
 買って来る甲斐がありましたよ(笑)」
10年前の私の記憶ってそれかよ(苦笑)


いろいろ苦労して、自信もつけて、いまの彼があるんだろう。22のときのゾンビのようなsくんと、30を越したいまのsくん。よく考えたら変わっていてとうぜんだよなあ。それだけの月日が経ってるんだもんな。0時すぎて“もう一杯飲んで行きましょうよ”というので、もう一軒ハシゴして2時すぎまで。ずいぶん酒も飲んだけど、よくしゃべるネタがあったもんだ。


♪10年前にもしもちょっと戻れるなら、何をしよおかな〜〜と和義は『月影』という曲のなかでうたっているけれど、今夜は10年前のじぶんにちょっと教えてやりたいと思ったよ。ゾンビが蘇生して、10年後にいっしょに楽しく酒が飲めるんだよ!ってね。