『ヒストリー・オブ・バイオレンス』

3時間の打ち合わせから解放されたら、なんかそのまま走り出してどっか行きたくなって、渋谷のユーロスペースへ。『ヒストリー・オブ・バイオレンス』を見た。D.クローネンバーグ(←好き好き)作。
2人の子供と田舎町に暮らす幸せな夫婦。勤めるダイナーに押し入った強盗をあっというまに撃退、殺してしまったことから街の英雄になるも、そこからほの見えてくる夫の過去。いったい彼はどんな男なのか。ほころび始める家族…。寡黙で平凡な男なのか、凶暴な殺人鬼なのか。二つの顔を自然に演じるヴィゴ・モーテンセンが、いい味。ちょいとした翳りがステキ。殺人シーンの手際の良さだけでも見る価値ありっすよ(肉片の飛び散り具合とか、さすがクローネンバーグ、ちょっとグロいけどね)。そして、平和な家庭の激しいセッ◯ス。静かな夫の、恐るべき銃さばき。登場人物のキャラさながらに、静かな部分と、激しい部分のメリハリも素晴らしいッス。
これって“夫が仮面ライダーだったとしてもおまえは愛し続けられるか”みたいなことだと思うんすけど(ちょっと違う気もするけど)あんなでっっかい息子とちっこい娘まで作ったんだから、やっぱ生活の前には勝てないんじゃないか?(^^;ラストはちょっとしみじみ。エド・ハリスこわいです。