天国まであと3歩
夭折したミュージシャンの人生をコンパクトにまとめて紹介した本。早すぎる死とは何歳までか?というと、ここでは45歳を上限に、60人+アルファが紹介されている。ちなみに一番若いのはリッチー・ヴァレンスの17歳(飛行機事故)で最年長はフレディ・マーキュリーの45歳(エイズ)だ。90年代半ばに編まれた本なので、最近亡くなった人には触れられていない。
幼い頃どう育ち、どうやってスターになり、なぜ死に至ったか。そしてどこにどう葬られ、その後バンドはどうなったかなど、ちょっとしたエピソードが興味深い。いずれも、そのミュージシャンのファンや伝記・雑誌などをよく読んでるひとなら知っていることなんだろうけどね。
たとえば、ストーンズのブライアン・ジョーンズ(27歳でアル中・ドラッグ死)
ハンサムなブライアンは常に女の子の人気の的だった(15歳で私生児の父親になったという)。さらに、スカンジナビアを旅したことで、その進歩的な性的観念にいっそう磨きがかかり…(以下略)
へー。やっぱスカンジナビアって…。MANDO DIAOのビヨルンは“もし自分の性生活を誰かが宇宙から撮っていたら、世界一のポルノができる”と豪語したらしいけれど、やっぱり北欧って進歩的なのねー(あれ?反応するところが間違ってるかな?(^_^;)
それから、こんなのも。ツェッペリンのジョン・ボーナム(32歳でアル中死)の死後のエピソード。
1990年、ジョンの息子、ジェイソンの結婚式で、メンバーは5時間のセッションを行った。父と同じ道を選んだジェイソンは、プログレッシブ・ロックのパイオニア、レッド・ツェッペリンのドラマーとして父の代理をつとめた。
すごいなー。ええ話や。でもさ、新郎が5時間もセッションしてる結婚式ってどうなの(笑)?
レナード・スキナードのロニー・ヴァン・サント(27歳・飛行機事故)の項では、バンド名の由来について。
ちょうどビートルズ旋風がフロリダに上陸し、ロングヘアが流行りだした頃で、マイ・バックヤード*1のメンバーも長い髪をしていた。しかし、これが教師のひとり、レオナード・スキナーの不満を買う原因となる。この体育教師は、新しい若者の流行に嫌悪感を抱いていたのだ。メンバーにとって、繰り返し罰則を与えるスキナーは厄介な存在だった。当時、スキナーは、自分の名前が南部で指折りのロックバンドの名前になるなどとは夢にも思っていなかったわけである。
ムカつくやつの名前をバンド名にするっていうセンスがいいなー。
という風に、ちょっとしたエピソードが“へー”の連続でした。
ところで、想像通り、“ステージのプレッシャー”“ツアーの孤独と退屈を紛らわすために”ドラッグに走り…っていうのがものすごく多い。もちろん、そういうものを許容する時代の空気や、手を伸ばせば手に入る環境っていうのもあったとは思うけれど、ツアーって、やるほうはやっぱ孤独で退屈なものなんだね。ウタダがアメリカで成功するには地道に全米各都市をツアーしてまわれ!って言っている評論家がいたけれど、みんなカラダ削ってそれをやってんだなあ。そして、酒もなにげに怖いということがわかったぞ。平気で30代でカラダだめになっちゃうんだな。気をつけよう(自戒)。
ちなみにタイトルはエディ・コクランのヒット曲『THREE STEPS to HEAVEN』より。
- 作者: ロマウィートン,Roma Wheaton,庄司佳世
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*1:レナード・スキナードの前身