長老、逝く

親戚のおそうしきに行った。とーちゃんのオジサンにあたる人。
28年前に亡くなったうちのおじいちゃんのトシの離れた弟で、とーちゃん一族では最長老だった。
もう90歳。奥方は15年前に亡くなっていて、お子さんもいなかったので、
参列したのはみんなちょっと遠い親戚ばかり。
弔辞もなく、弔電も一通だけの、こぢんまりとしたおそうしきだった。
こどもがいなくて友達よか長生きすると、こんな感じの見送られ方なのかぁ…と、ちょっとしみじみしたっすよ。いや、ウチの一族も少子化がぐんぐん進んで尻すぼみに人数が減っているので、誰もおそうしきしてくれないなんてこともあるかもねぇ。


こんなことでもないと、めったに会えない従兄弟たちとも顔を合わせた。
お経がはじまると、従妹の6カ月になる赤ちゃんが、ウーウーうなり始めた。
従妹はあわててあやすけど、ウーウーは止まらない。
この子はきっといまお経を読んでるつもりにちがいない。犬だってサイレンが鳴れば吠えるもんなー。
とか思って見ていたら、そのウーウーは、いつのまにかウーンウーンに変わってた。顔が真っ赤。
…うんこか?
こどものいない私ですらわかるキバリっぷりに、
従妹はあわてて、おむつを替えに外へ出ていった。ビンゴ。


おそうしきが終わって席を立つときのこと。ウチのとーちゃんが
「オレのアレはどこだ?オレのアレは?」
と騒ぐので何を探してんのかと思ったら、かーちゃんだった。
とーちゃんは最近足が悪く、杖をついているうえに、かーちゃんにしがみつかなきゃ外出できないんだが、
だからといって“オレのアレ”呼ばわりはどうなのよ?(^_^;


なんだかのどかなそうしきだったなあ。先々週とはおおちがい。大往生だもんね。