涙腺が…(涙)

録画していた昔のNHKドラマ『ながらえば』を見た。
1982年放映の、笠智衆主演のドラマ。当時いろいろ外国の賞も取った作品らしく
ちょっと前にNHKアーカイブスで放映してたもの。これがもうー泣けるのなんのって。

老妻を名古屋の病院に入院させたまま、長男家族の転勤について富山へ行かなくてはならなくなった夫(笠智衆)。妻の看病はとついだ娘(長山藍子)がしてくれているものの、娘はパートで忙しいうえ家庭がうまくいっていない。
一度は富山へ行ったが、ふと“このままもう妻とは会えないのではないか…”という焦燥感に駆られる笠智衆。富山に来てわずか2日なのに“名古屋へ行きたい。金を貸してくれ”と言い出す彼を、息子夫婦は相手にしない。無口かつ古い男である彼は“妻に会いたいのだ”とは口が裂けても息子に言えないのだった。
“一ヶ月辛抱しろ”と息子夫婦は言う。しかし、年寄りの一ヶ月は取り返しのつかないこともある。彼はわずかな金を嫁から奪って、家を飛び出した…。

だいたい上記のような話なのですが。おじいちゃんは、大冒険の途中、あれこれあって田舎の宿で宇野重吉演じる老人と出会うんですな。そして自分は今まで妻に何ら優しいセリフをかけて来なかったけれど、最後にどうしてもちゃんと何か言ってやらねばと密かに思いを強くするわけです。
夜、家の外に出てきた宇野重吉の背後に、木造家屋の二階の窓から彼を見おろす笠智衆。この2ショットだけでももう見モノです。そして最後、病院にたどり着いた笠智衆と老妻のやりとりはもうこれ、究極の告白シーンですよ!!こんなに不器用で、初々しく、そして切実な愛の告白シーンがかつてあっただろうか…。じーん。近頃、涙腺がブロードバンド化してる私は、もうここで相方とふたりでオエりましたね。
緑の中を走る赤い高山本線。車窓を眺める笠サマの横顔だけでもう、キアロスタミの映画みたいなんですけど、ホント全編、笠サマないす!!(宇野重吉はちょいとクサい。これが舞台俳優と映画俳優の差なんでしょうかね)そしてなにげに長山藍子、色っぽい。
最後エンドロール見たら、脚本・山田太一だって。やっぱそうなのか。ちっ。この人泣かせなヤツめ(^^;